初めての Linux インストール 2012
Linux とは
Linux (リナックス) は,世界で広く使われているオープンソースの OS です。
ネット上から誰でも自由にダウンロードして使うことができます。
また,ソースコードが公開されており,誰でも開発に参加することができます。
この記事では,Linux を自宅の Windows PC に併存させるための方法を紹介します。
PC 起動時に Windows と Linux のどちらかを使うか選択できるようにします。
ディストリビューション
Linux には様々な派生パッケージが存在し,それらをディストリビューション (distribution) と呼びます。
ユーザーはディストリビューションをどれか 1 つ選んで,それをインストールすることになります。
今回紹介するディストリビューションは,Ubuntu (ウブントゥ) というディストリビューションです。
Ubuntu は Windows との親和性が高く,日本語もまともに使えるので,Linux 初心者にもお薦めできるディストリビューションです。
インストールの概要
Ubuntu は,Windows 側からインストールおよびアンインストールができます。
インストールは,Windows 側でウィザードに従って進めます (後ほど説明します)。
アンインストールは,Windows 側で [プログラムのアンインストール] (旧称 [プログラムの追加と削除]) から行ってください。
ハードディスク上に新たな専用パーティションを用意する必要はありません。
Ubuntu のインストール先は,既存のパーティション上に生成される仮想 HDD ファイルです。
Ubuntu のファイルシステムは全てこの仮想 HDD ファイルに収められます。
Ubuntu 以外のほとんどのディストリビューションでは,Windows との共存は容易ではありません。
多くの場合は,インストール時に Windows の起動環境を破壊してしまいます。
Ubuntu で有効だったインストール方法が,他のディストリビューションでも有効だとは考えないでください。
OS のインストールはリスクを伴います。
今回紹介するインストール方法は,Windows の環境に Ubuntu を併存させるための方法であり,普通に上手く行けば既存のデータはそのまま保全されますが,念のため事前にバックアップを取ることをお勧めします。
また,この記事の説明に分らないことが多すぎると感じた場合は,インストールをご遠慮ください。
用意するもの
- 空の CD-R (インストールディスク作成用)
- Windows のインストールディスクまたは修復用ディスク (もしもの時のため)
仮にインストールに失敗しても,多くの場合は Windows のブートに関する部分だけが破壊されるだけです。
ブートローダの修復は Windows のインストールディスクなどがあれば可能です。
ダウンロード
次のいずれかに入ってください。どのミラーでも置いてあるものはだいたい同じです。
- http://ftp.yz.yamagata-u.ac.jp/pub/linux/ubuntu/releases/ (山形大学)
- http://ubuntutym2.u-toyama.ac.jp/ubuntu/ (富山大学)
- http://ftp.jaist.ac.jp/pub/Linux/ubuntu-releases/ (北陸先端科学技術大学院大学)
次に,上部にある「Ubuntu 12.04 LTS (Precise Pangolin)」や「Ubuntu 11.10 (Oneiric Ocelot)」などのリンクいずれかを踏んでください。
今回は「Ubuntu 12.04 LTS (Precise Pangolin)」を選ぶものと仮定して説明を進めていきます。(記事内の画像は旧バージョンのものだったりします。)
ちなみに LTS は Long Term Support の略で,この版は長期的にサポートを受けることができます。
次のページで,Desktop CD の欄にある「PC (Intel x86) desktop CD」をダウンロードしてください。
700 MB ほどの「ubuntu-12.04-desktop-i386.iso」というファイルがダウンロードできます。
このファイルが Ubuntu インストールディスクのイメージファイルです。
(wubi.exe だけをダウンロードして実行する方が手間はかかりませんが,インストーラは CD 1 枚分のデータを海外からダウンロードしようとするため,思いの外時間がかかってしまいます。ですので今回は国内のサーバーから ISO イメージをダウンロードする方法を紹介しています。)
ディスクに焼く
ダウンロードしたイメージファイルを,空の CD-R に焼いてください。
イメージ ファイルを扱えるソフトとしては,ImgBurn, DeepBurner 辺りが有名です。
Windows 7 には,標準でイメージファイルの書き込み機能がついています。

ImgBurn の場合の操作方法を簡単に紹介しておきます。
まず起動したら,[Write image file to disc] に進んでください。
次に,[File] - [Browse for a source file] から,ダウンロードした ISO ファイルを開きます。
空の CD/DVD をセットして,[Destination] でそのドライブを選択します。
Test Mode, Verify のチェックは外しておきます。
その下の,大きなボタン (Write ボタン) を押せば,書き込みが始まります。
[Complete] のゲージが 100% に達したら完了です。
英語がどうしても苦手だという方は,日本語化パッチが配布されているので,それを適用してください。
インストール
作成したディスクをドライブにセットし,自動再生によりインストーラが立ち上がります。
インストーラが自動で立ち上がらない場合は,手動で「wubi.exe」を実行してください。

↑ ここでは必ず [Windows 内にインストール] を選択します。

↑ 必要事項を入力し,[インストール] を選択すると,インストールが始まります。
数分後,再起動を促されます。
CD はもう必要ないので取り出し,コンピュータを再起動します。

↑ ブート時,Windows と Ubuntu のどちらを起動するか尋ねられる場合があります。
訊かれた場合は,[Ubuntu] を選択して,Enter キーを押してください。
タイミングを逃したら,もう一度再起動して試みてください。
初回起動時は,しばらくインストール作業が続きます。

↑ 再起動がかかり,ブート時に Windows と Ubuntu のどちらを起動するか尋ねられます。
[Ubuntu] を選択して,Enter キーを押してください。
タイミングを逃したら,もう一度再起動して試みてください。
Windows ブートマネージャのこの画面は,PC ブート時に毎回表示されます。
この画面で,起動する OS を選択してください。
数秒間放っておくと,既定の OS が立ち上がります。

↑ 先ほど [Ubuntu] を選択していれば,続いてこの画面が表示されます。
そのまま Enter キーを押してください。Enter キーを押さずに放っておいても大丈夫です。

↑ インストールが正常に終了していれば,そのままログイン画面になります。
ユーザを選択し,パスワードを入力してログインしてください。
日本語環境の設定
初回のみ,次のような操作が必要です。

↑ 画面右上端のボタンを押して,[システム設定] を選びます。

↑ Windows のコントロールパネルに相当するウィンドウが開きます。
この中の [言語サポート] を開きます。
「言語サポートが完全にはインストールされていません」と出るので,[インストール] を選択します。
パスワードを要求されるので,パスワードを入力します。
すぐにセットアップが始まるので,後は放っておいてください。
一度ログアウトして再度ログインすると,日本語環境がきちんと使えるようになっているはずです。
エディタなどを立ち上げて,キーボードが日本語キーボードとして認識されているか,日本語が入力できるか,日本語フォントで表示されるか確かめてください。
日本語入力メソッドは,半角/全角キーで ON/OFF できるはずです (それがだめなら Ctrl+Space などを試してみてください)。
画面の説明
画面上側のバーは,アプリケーションを実行している時に,メニューバーの役割をします。
また,右方は通知領域となっています。
一番右端のボタンからは,シャットダウンや各種設定が行えます。
画面左側のバーは,Windows のタスクバーに相当します。
常に表示するよう登録されているアプリケーションや,実行中のアプリケーションのアイコンが並べられています。
画面左側のバーの一番上が,スタートボタンに相当するボタンです。
これを押すと開くスタートメニュー相当のものは,正直使いづらいです。
よく使うアプリケーションは,左側のバー上に常に表示するよう登録しておくことをお勧めします。
アプリケーションを起動しておいて,アイコン上で右クリック - [ランチャに常に表示] で登録されます。
画面左側のバーの上から 2 番目のボタンを押すと,ユーザーのホームディレクトリが開きます。
このウィンドウが開いた状態でメニューバーから [移動] - [コンピュータ] を開くと,Windows のマイコンピュータに相当するものが表示できます。

↑ マイコンピュータ相当の画面です。
ここからアクセスできる [ファイルシステム] というのは,仮想 HDD ファイルの中なので,どんなにいじっても Windows 環境には影響しません。
「ハードディスク」と書かれているものは,Windows 環境の入ったローカルディスクの可能性があります。
Linux は Windows 系ファイルシステム (特に NTFS) の操作を得意とせず,ハードディスクのデータを汚染してしまう可能性があるので,読み込みはいいとしても,ローカルディスクへの書き込みは最小限にとどめた方がいいと思います。
アプリケーション
ブラウザとして Firefox,メーラーとして Thunderbird が標準装備されています。
メモ帳と同様に使えるテキストエディタは gedit というエディタです。
せっかく Linux をインストールしたので,vi や Emacs の気持ち悪さも体験してみるといいと思います。
Microsoft Office に相当するのが Libre Office です。
Writer,Calc,Impress はそれぞれ Word,Excel,PowerPoint に相当します。
コマンドプロンプトに相当するものは一般に「端末」または「ターミナル」と呼ばれます。
Ubuntu には「端末」という名前で装備されていると思います。
日本語入力システムとしては Anthy が使われています。
必要に応じて Mozc (Google 日本語入力の OSS 版) などをインストールすることもできます。
Ubuntu ソフトウェアセンターで,プログラムの追加と削除ができます。
Ubuntu で利用できるソフトウェアを簡単に探せるので,利用してみてください。
その他
Linux は Unix (ユニックス) 系 OS の 1 つであり,Unix の各種概念・機能がそのまま導入されています。
ディレクトリやコマンドについては,Unix の参考書を当ってみるのがよいでしょう。
筆者のお薦めは,『はじめての UNIX 入門』(森北出版) という本です。
もっと Unix を極めたければ,man man を読むところから始めましょう。
この記事のパーマリンク: http://wgag.blog.fc2.com/blog-entry-55.html
